お客様の髪を守る

カラーリングは美しい髪色を実現する一方で、少なからず髪にダメージを与えてしまう側面があります。繰り返されるカラーリングやブリーチは髪の主成分であるタンパク質を流出させ、キューティクルを傷つけ、パサつきや枝毛、切れ毛といった髪のトラブルを引き起こす可能性があります。

そこで重要となるのが、前処理剤です。前処理剤はカラーリングによるダメージから髪を守り、お客様の大切な髪を健康な状態に保つための重要な役割を果たします。具体的には、以下のような効果が期待できます。

ダメージの軽減

カラー剤に含まれるアルカリ剤や過酸化水素は髪の内部構造を変化させ、ダメージの原因となります。前処理剤はこれらの成分から髪を保護し、ダメージを最小限に抑える効果があります。

枝毛・切れ毛の抑制

カラーリングによるダメージは、枝毛や切れ毛の発生を促進します。前処理剤は髪の強度を高め、枝毛や切れ毛の発生を抑制する効果があります。

髪の内部補修

前処理剤には、カラーリングによって傷ついた髪内部を補修する成分が含まれています。これらの成分は髪のタンパク質を補給し、髪の強度を高める効果があります。

髪の表面保護

前処理剤にはキューティクルの損傷を防ぎ、髪の表面を保護する効果があります。これにより、カラーリング後の髪のツヤ感や滑らかさを保つことができます。

カラー施術のクオリティUP

前処理剤は色ムラを防止し、色持ちを向上させる効果があります。これは髪の状態を整え、カラー剤が均一に浸透しやすい環境を作るためです。

まず、髪のダメージ部分はキューティクルが剥がれ、内部が空洞化しているため、カラー剤が過剰に浸透しやすく、色ムラが発生しやすい状態です。

前処理剤を使うことでダメージ部分に栄養を与え、髪内部の空洞を補修することでカラー剤が均一に浸透するのを助けます。

また、健康な髪の部分もキューティクルを整え、表面をコーティングすることでカラー剤の過剰な浸透を防ぎ、均一な発色につながります。

お客様満足度向上

カラー施術において、お客様の満足度を高めるには仕上がりの美しさと髪の健康維持が不可欠です。前処理剤を使用することでこれらの要素を満たし、お客様に最高の仕上がりを提供できます。

前処理剤は髪のダメージを軽減し、カラーリングの色ムラをなくし、色持ちをよくする効果があります。これにより、お客様はカラーリング後も美しい髪色を長く楽しむことができ、満足度向上につながります。

具体的には、以下の3つのポイントがお客様満足度を高める鍵となります。

ダメージ軽減による指通りのよい髪

カラー剤に含まれるアルカリ剤や過酸化水素は、少なからず髪にダメージを与えます。前処理剤はこれらの成分から髪を守り、ダメージを最小限に抑える役割を果たします。結果として、カラーリング後も滑らかで指通りのよい髪を維持できます。

色ムラのない均一な発色

前処理剤は、髪の状態を整え、カラー剤が均一に浸透しやすい環境を作ります。これにより、部分的な色のムラを防ぎ、髪全体を均一な美しい髪色に染め上げることができます。

長持ちする美しい髪色

せっかく綺麗に染めた髪色も、すぐに色落ちしてしまっては、お客様の満足度は下がってしまいます。前処理剤はカラー剤の定着をよくし、色持ちを向上させる効果があります。これによりお客様はより長く美しい髪色を楽しむことができ、高い満足度を得られます。

これらの効果により、お客様はカラーリング後も美しい髪を維持できるだけでなく、髪の健康も保つことができます。結果として美容室への信頼感も高まり、リピート率向上にもつながります。

PPT系

PPT系前処理剤は、毛髪内部の損傷を補修することに特化した成分です。PPTとはポリペプチドの略称で、アミノ酸が複数結合したものです。毛髪は主にケラチンというタンパク質で構成されており、このケラチンもアミノ酸の結合体です。PPT系前処理剤はこのケラチンと似た構造を持つため毛髪内部に浸透しやすく、ダメージ部分に吸着して補修します。

PPT系前処理剤はカラーリングによるダメージを軽減するだけでなく、カラーの仕上がりや色持ちにもよい影響を与えます。健康な毛髪はカラー剤を均一に吸着しやすいため、色ムラを防ぎ、美しい発色を実現します。また、毛髪内部がしっかりと補修されているとカラーの色素が流出しにくくなり、色持ちも向上します。

CMC系

CMCは、キューティクルとキューティクルの間を埋める細胞膜複合体のことです。CMCは毛髪内部の栄養が流出するのを防いだり、外部からの刺激から髪を守ったりする役割を担っています。カラーやパーマなどの薬剤によってCMCは流出しやすく、ダメージヘアの原因となります。

CMC系の前処理剤はこのCMCを補給することで毛髪外部を補修し、カラーやパーマによるダメージを軽減する効果が期待できます。

CMC系の前処理剤の主成分は、セラミドや18-MEAなどです。セラミドはCMCの主成分であり、毛髪内部の水分を保持し、乾燥を防ぎます。18-MEAはキューティクルの表面を覆う脂質の一種で、髪のツヤや滑らかさを保ちます。

CMC系の前処理剤を使用することでカラーやパーマによるダメージを軽減し、より理想的な仕上がりを得ることができます。

その他

カラー前処理剤には、PPT系、CMC系以外にも様々な種類が存在します。それぞれ異なる特徴を持つため、髪質やダメージレベル、なりたい仕上がりに合わせて最適なものを選ぶことが重要です。こちらでは、その他に分類される代表的な前処理剤をいくつかご紹介します。

• レブリン酸系：髪のキューティクルを整え、ダメージを補修する効果がある
• 疎水性処理剤：髪の表面に疎水性の被膜を作ることでカラー剤のダメージから髪を守る

これらの他にも、様々な成分を配合した前処理剤が販売されています。それぞれの効果や特徴を理解し、お客様の髪質や施術内容に合わせて最適なものを選んでいきましょう。